PS5のローンチタイトルとして登場し、時間が経過した今なお色褪せない名作『Returnal』について語らせてほしい。最初は「ローグライクなシューティングね、難易度高めのやり込み系でしょ?」と軽く構えていた。確かに高速で弾幕を避け続けるアクションは刺激的だし、敵をなぎ倒す爽快感は間違いなく一級品だ。だが、このゲームの真の恐ろしさは、死ぬたびに繰り返されるループの先にあった。
探索を進めるにつれ、断片的に提示される「主人公の幼少期の記憶」や「歪んだ家庭環境のフラッシュバック」が、徐々にプレイヤーのメンタルを侵食し始める。美しい異星の惑星アトロポスは、実は主人公のトラウマが具現化した地獄だったのではないか?という疑念が確信に変わった瞬間、鳥肌が止まらなくなった。SF的なギミックと、内面的な精神の崩壊がシンクロする演出は、もはやゲームという枠を超えたサイコホラーに近い。クリアした後に残るのは、単なる達成感ではない。記憶の海に溺れ、自分という存在が何だったのかを問い直されるような、言語化できない「喪失感」と「静かな恐怖」だ。SFシューティングの皮を被った、あまりにも文学的で重厚な心理スリラー。まだ触れていないゲーマーは、今すぐアトロポスに降り立つべきだ。ただし、自分の精神が削り取られる覚悟だけは忘れずに。
でもやめ時が見つからん