最初は「白髪の美少女キャラが刀を振り回すスタイリッシュなアクションゲーム」だと思ってコントローラーを握ったはずだった。だが、このゲームはプレイヤーを騙すのが上手すぎる。中盤から徐々に剥がれ落ちていく「命」の定義、そして繰り返される「死」の意味。機械生命体にさえ芽生える感情という名のウイルスが、プレイしているこちらの情緒を少しずつ、しかし確実に腐食させていく感覚は他のどんな体験でも味わえない。

特に周回を重ねるごとに明かされる真実。2Bと9Sの行く末を見守る中で、自分が積み上げてきた信頼や愛着すらも、システムによってプログラムされた「悲劇の伏線」に過ぎなかったと突きつけられた時の絶望感は筆舌に尽くしがたい。物語が終わった後、タイトル画面の背景が変化するあの瞬間、自分の現実世界に帰還したはずなのに、窓から見えるビル群が巨大な崩壊の残骸に見えて震えが止まらなかった。神だとか救いだとか、そんな陳腐な言葉では表現できない「存在の証明」という名の業。このゲームをプレイする前の自分には二度と戻れないし、戻りたくもないと思わせるほどの強烈な解像度で脳に刻み込まれた。今もたまに、不意に流れるあのピアノの旋律を耳にすると、胸の奥で何かが欠落する感覚に襲われる。これはただのゲームではない。私たちが生きるという行為そのものに対する、あまりにも美しく残酷な問いかけなのだ。