正直に言う、ここ最近の『チェンソーマン』を読んで脳がバグっている。二部に入ってからの藤本タツキ先生の筆致、もはや漫画という枠組みを軽々と飛び越えて、現代アートの領域に足を踏み入れているのではないだろうか。初期の疾走感も凄まじかったが、現在の重厚かつ不気味、それでいて最高にエモーショナルな展開には圧倒されるしかない。
特にキャラクターたちの内面の描き方が尋常じゃない。言葉の裏側にある「本当の願い」が、コマの余白から滲み出てくる感覚。読んでいる最中に何度もページを止めて、「今、自分は何を読まされているんだ?」と思わず自問自答してしまった。恐怖と切なさ、そして狂気が絶妙なバランスで混ざり合っていて、読めば読むほど中毒性が増していく。毎週、更新通知が来るたびに期待と不安で手が震えるほどだ。伏線の張り方も相変わらず天才的で、読み返すごとに「あ、ここで繋がっていたのか!」とパズルのピースが埋まる快感を味わえる。
アクションの描写も、単に派手なだけじゃない。キャラクターの感情がそのまま暴力的な描線に変換されているような、あの独特の躍動感。これが紙面上で表現されているという事実に、改めて震える。2026年現在、ここまで先が読めなくて、かつ期待を斜め上に裏切り続けてくれる作品は他に存在しないだろう。まだ追っていない人は、今すぐ全巻揃えて泥沼に浸かることを強く推奨する。この狂乱の渦の中にいない人生なんて、正直言って損をしているとしか言いようがない。