和歌山の小さな離島、日都ヶ島を舞台にした本作。最初は「夏休みに帰省した少年が幼馴染の死の真相を追う」という、いかにも王道なミステリー・サスペンスだと高を括っていた。だが、物語はそんな生易しいものではなかった。

本作を形容するなら「論理的かつ情熱的な絶望の突破」だ。主人公・網代慎平が直面する『影』という未知の脅威。その圧倒的な武力と知略を前に、何度も何度も残酷な死を繰り返す。観ているこちらまで精神がすり減るような、終わりの見えないループの苦しみ。しかし、この作品が本当にヤバいのは、主人公がただ耐えるだけではないという点だ。絶望の淵で、彼は過去の死から得た情報を武器に、最強の敵を論理で追い詰め、力でねじ伏せていく。

特に中盤以降、それまで積み重ねてきた伏線が弾丸のように回収され、物語が一気に加速する際の爽快感は他の追随を許さない。キャラクター全員が「生存」というたった一つの目的のために、己の全存在を懸けて戦う姿は、もはや暑苦しいほどの熱量だ。作画のクオリティも尋常ではなく、特にアクションシーンのカメラワークは「本当にテレビアニメか?」と疑うレベル。観終わった後、あの夏の湿気と焦燥感が忘れられず、もう一度島に降り立ちたくなる衝動を抑えるのが難しい。ループ系アニメの頂点にして、一つの到達点と言い切ってもいいだろう。心臓の鼓動が止まらない体験を求めている全人類、今すぐ観てくれ。